ふるさと島根の松江に帰って早くも14カ月。などと感嘆、驚愕、あきれていたのも、あっと言う間の去年の今頃。カフェがないって嘆いていたのは俺の怠慢、笑止千万。

出かけりゃある、歩けばある。閉まるお店もあるにはあるけど、始まるお店も明日には見つかる。ここ、そこ、あそこに、ちらほらある。

何より外に出るのが大事、そして始まる、ある日の椿事。ガラッと開けて暖簾をくぐる、チラチラ会話の糸口探る。

まずは苧町（おまち）のめしやの巴李古（ぱりこ）。絵描きの女将のおかずが最高。赤裸々ブログで実況中継、ハラハラドキドキ過激な実験。最先端での撤退、栄えある閉店。

西茶町のお菓子屋COCHICA、おしゃれなお店の看板姉妹。「コチカってどこだったかいな？　あ、コチカはこっちか」。そんなダジャレは口にすまい。俺にとっちゃ、おしゃれは試練、３分間でタイマー点滅。

だから気楽に、行くのは気さくな、庶民のたまり場、名物ドリンク、ガリガリコーヒー。お店の名前は冬營舎（とうえいしゃ）。でもこの店、本当の姿は古本屋。カフェじゃなくて、どこかの誰かが読んだ本を売る本屋。なかなか好評、読書会。ガルシア＝マルケス、トマス・ピンチョン。え、次、安吾かい？　

出かけりゃある、歩けばある。閉まるお店もあるにはあるけど、始まるお店も明日には見つかる。ここ、そこ、あそこに、ちらほらある。

そんなこんなで楽しい松江、水の都で生きてみたい。誰かとお店で話したい、今年もよろしく頼みたい。グッバイ、アメリカ、グリーンカード。どこに住もうがテメエ次第。

​

だけども何？　コロナ襲来？　店内でもはや話せない？　ならばテイクアウトしようじゃない。お店で買って歩こうじゃない。広場がある。公園もある。そのうちどこかで誰かと会う。