MC Ganta/松江のラッパー
俺たち、ひのえうま。俺たち、ひのえうま。1966、不吉な年だぜ。俺たち、ひのえうま。
昭和でいうなら41年、新婚悩ます不審の念。この年に生まれた女、夫を殺すなんてそんな、迷信信じて子供が減少、少子化到来、どうしよう。
俺たち、ひのえうま。俺たち、ひのえうま。倍率低くて、アホでも進学。俺たち、ひのえうま。
ぐるっと回って60年、あと2年で令和8年。その年に生まれる女、夫を殺すなんて、そんなの信じちゃ、君はいいカモ、陰謀史観が流行るかも。
この曲を書いている時、同級生の女子からクレームがついた。俺たちって言ってるけどさ、非難されるのは女の方。だから、
アタシも、ひのえうま。アタシも、ひのえうま。割を食うのは、いつだって女だけ。アンタも、ひのえうま。
言われて俺はガーン、タジタジ? 男尊女卑なんて、断じて許せん、冗談じゃない。ここにもあるのに気づいてない。変わる世の中、進む世界、それに俺はついてけてない。
家計が、火の車。家計が、火の車。俺の仕事なんてAIに取られちゃうぜ。家計が、火の車。
AIのおかげで翻訳の仕事も楽になりましたよ。前はね、一文一文、自分で訳してたんです。それが、もうとにかく大変で。でも今は、AIが代わりにやってくれますからね。私はAIの翻訳を推敲するだけでいい。こりゃ楽になったなあ、と思いましたね。でも、そのうちふっと、気づいたんです。働いてる気がしないって。仕事って苦しいことも多いじゃないですか。だけど、今はAIのおかげで、楽なとこだけやればいいんです。だけど、楽なとこだけやってると、生きてる実感がわきません。いっそ、楽なとこもぜんぶ代わりにやってくれよって気になるんです。
だったらAI、俺の代わりに生きることまでやってくれって、なんか、そんな変な気にもなりそう。
僕らはどこまでも行ける、そんな気持ちなら、あるよ。僕らはどこまでも行ける、そんな気持ちなら、あるのに。
俺たち、ひのえうま。それ行け、ひのえうま。風になびくぜ、透明なロン毛が。空飛べ、ひのえうま。
(出雲弁)
AIのおかげで翻訳の仕事が楽になったで。前は一個一個、自分で訳しちょったけんね。そーが、もうすげえ面倒くさかったわや。そーが今は、AIが代わりにやってごすけんね。AIの翻訳を最後にちょっと見いだけでいいが。か、めちゃくちゃ楽だがな、と思ったわや。そーだけど、そのうち、あらっと思ったが。か、なんだい働いちょう気がせんがなって。さ、仕事だけん、苦しいこともああわや。そーが今は、AIのおかげで、楽なとこだけでいいけんね。そーだけど、楽なことだけだと、生きちょう気がせんが。か、もいっそ、楽なとこもぜんぶ、代わりにやってごさんかって気になあが。

