「第1回 新書を選ぶ会」が開かれました
文と写真:細田雅大

第1回の「新書を選ぶ会」が、2026年4月24日(金)、島根県出雲市の「あわい堂」で開かれました。
見学者を含めると、計12名の参加がありました。また、当日は参加出来なかったものの、推薦したい新書とその理由を文章に書いて送ってくださった方が、ほかに2名おられました。
参加者は順番に、ほかの人と一緒に読みたいと思う新書を挙げ、その理由を語っていきました。
すると、ほかの参加者がそこに質問やコメントを投げかけ、最後まで和気あいあいと会は進行していきました。
そして、計11冊に及ぶ、さまざまなジャンルの新書が挙げられたのです。

世話役の細田が書き写した11冊の新書のタイトルです。難しい漢字がぜんぶ、ひらがなになっているのが笑えますね
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『日本のコメ問題 5つの転換点と迫りくる最大の危機』(小川真如著/中公新書)
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『宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう』(高水裕一著/講談社ブルーバックス)
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『世にも美しい数学入門』(藤原正彦・小川洋子著/ちくまプリマー新書)
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『古本買い 十八番勝負』(嵐山光三郎著/集英社新書)
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『自己決定の落とし穴』(石田光規著/ちくまプリマー新書)
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『キノコの教え』(小川眞著/岩波新書)
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『となりの陰謀論』(烏谷昌幸著/講談社現代新書)
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『新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか』(川北省吾著/講談社現代新書)
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『雑草はなぜそこに生えているのか 弱さからの戦略』(稲垣栄洋著/ちくまプリマー新書)
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『芭蕉、旅へ』(上野洋三著/岩波新書)
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『醤油・味噌・酢はすごい 三大発酵調味料と日本人』(小泉武夫著/中公新書)
この時点で、会が始まってから1時間半が経過していました。ここまででもう十分過ぎるほど笑い、楽しく過ごせたので、ここで終了したくなったほどでしたが、そうは問屋がおろしません。
この11冊の中から、参加者全員が合意できる1冊を、課題本として選ばねばならないのです。
もしも、全員が合意できる1冊を選べなかったら、現代社会における悲しい「分断」状況がこんな地方の読書会にまで及んできたのだと見なされ、この読書会は、ここで解散、「はい、サヨウナラ。また来年、やり直しましょう」ということになってしまうのです。
この読書会を先へと進めていくためには、参加者全員が合意できる1冊を選び出さねばならない......。慎重に慎重に、熟議を重ねて......。
が、時間もないため、けっきょく投票することになりました。
「自分が推薦した新書以外で、読んでみたい新書を挙げてください」と尋ねました。見学者の方々には「これまでの話を聞いて、読んでみたいと思う新書」を挙げてもらいました。
その結果、最多得票数を獲得し、課題本選びの先頭に立ったのは『宇宙人と出会う前に読む本』でした。それに続いたのが『となりの陰謀論』です。
第1位

第2位

このまま一気に『宇宙人と出会う前に読む本』が逃げ切るかと思われましたが、そうは問屋がおろしません。
得票数の多かった上位5冊に絞って、あらためて全員に投票し直してもらったのです。
すると不思議な現象が.....。
『宇宙人と出会う前に読む本』も『となりの陰謀論』もなぜか下位に転落です。代わりに最後まで残ったのは『世にも美しい数学入門』と『新書 世界現代史』でした。「どちらが選ばれてもよい」と言って棄権した人もいたので、得票数はそれぞれ5票。まったくのタイです。
最終候補 その1

最終候補 その2

ここで参加者たちは、会場である「あわい堂」のご店主、白山さんに、いわゆる「キャスティングボート」を投じてもらうことにしました。
白山さんが、2冊のうちのどちらかを選ぶことになったのです。
しかし、彼女の肩に突然かかることになった責任は、あまりにも重たいものでした......。複数の人間がこれから、その尊い人生の数カ月を費やして読んでいく本を、自分一人で決めるわけですから......。
とうてい一人の人間が担い切れる重さではないことに気づいた参加者たちは、あみだくじを作って、白山さんに引いてもらうことにしました。

重たすぎる責任から解放され 、楽しそうにあみだくじを引く白山さん