手結のとんどさん
プロっぽい手つきと妙な具に脱帽
アメリカ人のお手製サンドイッチ
04年04月
アメリカにはフードジャーナリストという肩書きの人がたくさんいます。天下のニューヨーク・タイムズにも、開店したばかりのレストランの味、雰囲気、サービスを採点したり、ハヤリの食材やカクテル紹介など、「食のトレンド」を専門にレポートする記者がいるのです。ということで、本誌も無理矢理フードジャーナリスト(もどき)を誕生させ、食にまつわる記事を掲載することに決定! 連載タイトル「食いしん坊凡才!」は、ボンクラだけど、食い意地だけは誰にも負けない編集者(ヤマモー)が担当していることに由来します。ご愛読のほど願います。
さて、第1回目のテーマは、アメリカ人の作るお手製のサンドイッチです。1762年、イギリスのサンドイッチ伯爵4世(ジョン・モンタグ)が、大好きなギャンブルを中断せず食事が取れるようにと、パンに肉をはさむよう頼んだのが誕生の発端で、名前の由来となっているサンドイッチ(ほかにも諸説あるようですが)。イギリス生まれの食べ物ですが、今では食べる頻度からその種類の豊富さに至るまで、アメリカの方が断然勝っているような気がします。
アメリカでは、休日のブランチ、学校や会社に持っていく弁当、小腹が空いた時のおやつや夜食に、サンドイッチは欠かせません。火を使わずに済む具なら、小さい子どもでも作れます。幼少のころから、いろんな種類を自ら作っては食しているアメリカ人ですから、たとえ料理上手ではなくても、「サンドイッチ作りだけはプロ級」という人が多いのではないでしょうか。
これまで私は、アメリカ人の知人に何度かサンドイッチを作ってもらったことがあります。パンの切り方、バターの塗り具合、ハムやレタスのレイアウトの仕方、どれをとっても彼らの手さばきには感心させられます。そして、味もいい。特に料理好きというわけではなさそうなアメリカ人が作ったものさえ、私が作るものよりはるかにうまいのです。
彼らのサンドイッチを作る姿に共通するのは、「ためらいのなさ」「思い切りのよさ」だと思います。分量や手順など、すべてインプットされているかのように、手早く作業を進めていきます。インスタントラーメンだったら何のためらいもなく作れる私ですが、サンドイッチは作り慣れていないので、大胆になれません。その戸惑いは「べっちゃりした見かけ」「水っぽい味」という結果となって如実に現れるのです。
もちろん、食パンにレタスとハムをはさんでマヨネーズを塗るだけなら、私にもできます。しかし、見たこともない種類のチーズや瓶に入った白い根菜の千切り(のちにホースラディッシュ〈セイヨウワサビ〉であることが判明)を冷蔵庫からさっと取り出したり、市販のマヨやドレッシングをアレンジしたり、パン切りナイフでシュッと切り分けたりといった華麗な技を目にすると、「敵わない……」と思うのです。今から、あのプロっぽい手つきを取得する自信はありません。これからもサンドイッチは食べる側に徹したいと思います。
野菜、肉、魚とさまざまな食材を具として用いるアメリカのサンドイッチですが、これまでに最もインパクトの強かったのが、友人が作ってくれたピーナツバター&マヨ&ピクルス・サンドです。友人のおばあちゃんが開発したというこの強烈な一品は、遠縁の親戚も含め、一家の定番なのだとか。それにしてもなぜ、この3食材を一緒にしようと思い立ったのか?
子どものころ「家に誰もいないけど、空腹。でも、冷蔵庫には、調理せず食べられそうなものはほかに何もない」という悲しいシチュエーションの時によく食べた記憶のあるピーナツバターは、私の中であまり評価が高くありません。でも、そのミスマッチな組み合わせに興味をそそられ、試食してみたのでした(レシピは下にあります)。
恐る恐る口にしたものの、予想以上のおいしさにびっくり! ピクルスの塩気とピーナツバターのほのかな甘さが口の中で混ざり合い、「やみつきになるかも」という気に一瞬させられるから不思議です。だまされたと思って、ぜひ一度トライしてみてください!!(ヤマモー)
レシピ: Peanut Butter & Mayo & Pickles Sandwiches
(材料1人分)
食パン(white、またはrye) 2枚
ピーナツバター 大さじ 2~3
マヨネーズ 大さじ 1・1/2~2
ピクルス(kosher dillがベスト) 小1本
作り方
食パンの片面にピーナツバターを塗る。もう1枚の食パンの片面にマヨネーズを塗る。ピーナツバターの食パンの上に、薄くスライスしたピクルスを並べて載せ、もう1枚で挟む。

ピーナツバターもマヨもたっぷり塗ろう。ピクルスは、あらかじめスライスされたものを使えば、ラクチン

TV、映画、演劇界はフード三昧
食とエンタメの甘~い関係
04年04月
「アメリカでは立派な職業として成り立っているフードジャーナリストになりたい!」という意気込みに任せて始まった本連載。2回目は、テレビ、映画、演劇の世界で最近起こりつつある、「フードを素材にしたユニークなショー」を取り上げます。エンタメ界に吹き荒れる食旋風とは!?
まずは、テレビから。リアリティーTVが登場してから数年経ちますが、その人気は衰えるところを知りません。無人島でのサバイバル競争やあの手この手の恋愛ゲームが主流のリアリティーTV界に、「食」を武器に昨年殴り込みをかけたのが、NBC放送の「ザ・レストラン」です。
これは、マンハッタンに昨年オープンしたイタリアレストランの内幕を追いかけたドキュメンタリー風の番組。オーナーシェフは、アメリカで最も人気の若手料理人と言われるロコ・ディスピリト。彼がメニューやスタッフを選ぶ開店前から、ワガママな客や未熟なシェフへの対応にてんてこ舞いする開店後までの様子を描いた同番組は、毎週900万人の視聴者を集め、大ヒットとなりました。そしてこの番組、第2シーズンが4月19日から始まったばかり。今回は、開店後6カ月を過ぎてもまだ利益が上がらないことに対して投資家が不満を募らせ、経営方針をめぐってロコと大バトルを繰り広げるという展開で幕を開けました。
何とも興味をそそる展開ですが、第1シーズンで登場したウェイトレスの中には番組側が雇ったプロの役者がいたことが発覚し、やらせっぽい雰囲気も漂ってきます。セレブリティー・シェフの代表格であるロコはルックスも良く女性からは絶大な人気を誇っていますが、あまりにも有名になりすぎて、食へのこだわりが薄れている気がしてなりません(それとも私の単なるひがみ?)。
このレストラン、予約を取るのが大変なのはもちろん、取材依頼も殺到しているらしく、「相手にしてもらえるはずがない」とビビってしまい、まだ足を運んでいません。まずは、一般客を装い(というか一流のフードジャーナリストは、名を明かさずに一般客として訪れ、黙って支払いをするそうです!)同レストランの自慢だというスパゲティミートボールにトライしたいと思います。
そのほか、食を専門に扱う「フード・ネットワーク」でも、単なるクッキングショーとは違う新番組が登場しています。「料理の鉄人」を放映し、そのアメリカ版「アイアン・シェフ・アメリカ」を制作した同局ですが、今年に入って、料理とはすぐに結びつかないミュージシャン・カップル、リサ・ローブとドゥイージル・ザッパをホストに起用した「ドゥイージル&リサ」をスタートさせました。
ツアー活動で全米だけでなく世界各国を回るグルメな2人が、各地で見つけたうまい物を紹介するというコンセプトの同番組では、レストラン巡りだけでなく、友人宅に押し掛けてパーティーを始めたり、市場で地元の人に素朴な料理を振る舞ってもらったりと、日本の紀行番組を思わせる作り。肉を食べないリサにフード番組ホストの資格があるかどうかは疑問ですが、日本で高い人気を誇り毎年日本ツアーを行っている彼女ですから、近々同番組で日本(食)が取り上げられる可能性も高そう。(ヤマモー)
今キテる和の食材はこれ!
ウニを自由に楽しむように
04年06月
豆腐、枝豆、日本酒と、ニューヨークでは和食が次々にブレークしていますが、今キテるのがウニ。寿司バーだけではなく、イタリアンやニューアメリカンのメニューにも登場しているというホットな食材ウニをチェックしてみます。
「U.S. FrontLine」編集部では、ニューヨーク版「ぴあ」(または「ウォーカー」)とでも言うべき「タイム・アウト」という情報誌を定期購読しています。食のセクションでは、新しくオープンしたレストランの紹介とともに、この街の食の最新動向を毎週伝えてくれるのですが、そのページで最近、「ウニが人気」という記事を見つけました。
このところ、外国人シェフが和食フュージョンのお店を立て続けに開いています。また、ちょっとオシャレなニューアメリカンの店では、ユズやシソ(大葉)、ワサビなどの食材を好んで使っているのを見かけるし、「料理人は和の食材が大好きなのだな~」と思うことが多々あります。新しい食材を取り入れ、味はもちろん、いかに斬新なメニューを開発するかに命を賭ける一流シェフにとって、和の食材は「宝の山」なのかもしれません。その証拠に、仕事がはけてから、または休みの日にシェフがよく通うのは寿司バーや居酒屋、という話を何度か聞いたことがあります。
しかし、なぜウニなのでしょうか?
「タイム・アウト」の「ウニ」記事によると、ハヤリのレストランでは、サラダのトッピングとして、さらにはパスタやアントレー(メインディッシュ)のソースとしてウニを用いるのだそう(私が一番そそられたのは、ピューレ状にしたウニとガーリックをオリーブオイルで炒め、レモン汁を加えたソースのパスタです)。どうやらウニは、(1)磯の香りがたっぷり詰まっているので、ほかのシーフードとの相性がいい、(2)リッチな味わいなので、味の決め手となる、というのが人気の理由のようです。
同記事には、食に対して保守的なお客の中には「こんな訳の分からないものを食ってられるか!」と、お皿を下げるよう命じる人もいるとありますが、こんな時、ウェイターたちは「手つかずのごちそうがいただけてラッキー!」とほくそ笑むのだとか。
これまでウニと言えばスシや刺身しか食べたことのない私ですが、それ以外のメニューにも挑戦してみたいものです。オンラインのフード辞典「epicurious food」で調べてみると、地中海諸国でもウニが食されるそうです。スライスしたパンにウニを載せ、レモン汁を振りかけるスタイルが彼らにとっては一般的なようです。日本人が白いご飯に載せて、しょう油をたらして食べるのと、何だか似ていなくもないですね。
英語でウニは「sea urchin」と言います。和食大人気のここニューヨークですが、「ウニ」という日本語名では、まだまだ通用しないよう。でも、これから人気が浸透すれば、「ウニィ~」と呼ばれる日がやってくるかもしれません。(ヤマモー)
神戸牛使用のハンバーガーを試食
その味や、いかに~?
04年06月
NYでは、「神戸牛使用のハンバーガー」をうたったメニューを出すレストランが増えてきているようです。アメリカに来てハンバーガーに目覚めた私(ファストフード店のではない)、神戸牛バーガーにトライする日を夢見ていました。そして、ついにその日が!
先月、マンハッタンの一流ホテル「LE PARKER MERIDIEN」内にあるレストラン「NORMA'S」で、1000ドルもするオムレツがお目見えし、話題となりました。「キャビアやロブスターがたっぷり入った逸品」らしいですが、朝食&ブランチがウリのレストランなので、オーダーがあるかどうかは別にして、格好の宣伝材料となったことでしょう。私の同僚によると、同じオムレツで量の少ない100ドルのものには、けっこう注文があるそうです。それにしても一口でいいから食べてみたい!
似たような感じで、昨年話題になったのが、神戸牛を使った高級ハンバーガーです。マンハッタンの老舗ステーキハウス「OLD HOMESTEAD」のメニューに登場して注目を浴び、その後、マネをして同じような品を出す店が相次いだようです。「OLD HOMESTEAD」の「神戸牛バーガー」は41ドルですから、上のオムレツに比べればリーズナブル。
しかし、ジューシーで美味なハンバーガーが、10ドル以下で食べられる店が何カ所もあるというのに、「うまいかどうかも分からないのに、なぜそんな大金を払わなければならないのか」と思ってしまう自分が悲しい(貧乏は嫌ですね)。興味はあるものの、なかなかトライできずにいました。
ところが、新商品が出てしばらくすると、廉価な類似品が出てくるのは家電も食べ物も同じなのか、先日訪れた「METRO CAFE & WINE BAR」では、「Prime “Kobe”Hamburger With Grilled Onions」が14.95ドルとなっていました。シブチンの私も「まあ、この値段なら」と、やっとオーダーを決意(それでも、かなり悩みましたが)。久々にドキドキしながら、注文の品が出てくるのを待ちました。
真っ白なデカイ皿に載って出てきたバーガーは、見た目はいたって普通。しかし、一口食べた途端、味の違いにびっくり……するのかと思ったら、特にそんなこともありませんでした。注文したミディアムレアというよりレアに近い焼き具合はいいとしても、食べすすめるうちに、塩、コショウなどの下味がしっかり付いていない気がしてくるのはいかがなものか?
「肉本来のうま味みを楽しんでいただくため、味付けは控えめにしております」という店側の配慮なのかもしれませんが、だとしたら、それは裏目に出ていた感じです。いずれにしても、かなり期待していたのでがっかり。廉価品に目がくらんだ私がバカでした。でも、一緒に飲んだワインは値段の割にかなりおいしかった。ワインとビールのユニークなテイスティング・メニューも用意されているので、今度は神戸牛のことは一切忘れて行ってみたいです。
そもそも、ビールを飲ませたりする特別な飼育法で柔らかい肉を作り出している神戸牛なのに、なぜひき肉にして食べる必要があるのか?という疑問が今さらながら湧いてきました。やっぱり、いい肉はステーキで豪快に食べたいっす。(ヤマモー)
グローサリーの宅配サービスFreshDirectは、本当にフレッシュ? 前編
04年07月
とうとう試せる日が到来! マンハッタンに住む知り合いが「便利」「新鮮」と大絶賛しつつ利用する、オンライン注文によるグローサリーの宅配サービス「FreshDirect」が、ブルックリンにも進出してきたのです。
FreshDirect(長いので、以下FD)がサービスを開始したのは、2002年の秋。オンラインで注文すると、次の日には自宅にグローサリーが届くという便利さが受け、みるみる利用者が増加。配達エリアも拡大され、現在は約10万人が利用しているそうです。
昨年、マンハッタンの友達の家に寄った時の話です。いつもスカスカの冷蔵庫からビールを取り出そうと扉を開けると、肉、魚、野菜、牛乳、卵などがぎっしりと詰まっています。訳を聞くと、FDの配達が来たばかりとのこと。「で、使い勝手はどう?」と聞くと、友達は喜々としてFDの魅力を語ってくれました。
そのほかにも、同じようにFDがいかに素晴らしいかを説く声を、いろんなところで耳にしました。彼らによると、「肉、魚、野菜、果物など生鮮食品は、とにかく新鮮で味もいい。しかも野菜や果物は銘柄が、肉は部位が豊富」「スーパーに比べても割高でない。スナック類、乳製品などは、ディスカウントもある」「深夜近く(午後11時半)まで配達が受けられるし、指定の配達時間内にちゃんと来る(午後8時~10時などと、2時間単位で時間を指定できる)」「配達員にチップを払う必要がない(任意で払ってもいい)」というような利点があるようです。
ニューヨークでは4~5年前にも、「YOUR GROCER」「KOZMO」など、生鮮食品を扱わない点を除いては、FDとほとんど同じ宅配サービスが、話題になりました。当時、私も好奇心から利用してみましたが、価格設定は割高感があったし、牛乳やポテトチップなどは、特大サイズのものしかなく、不便に感じたのを覚えています。さらに、配達は大幅に遅れた上、注文の品が一つ抜けていました。請求書を見ると、届かなかったその品もしっかりチャージされていて、この請求額を取り除いてもらうのに、かなりの時間と労力を費やしました。お陰で英語での交渉力は若干アップした気もしますが、どっと疲れてしまい「自分で買いにいった方がよっぽど楽。二度と利用するか!」と思ったものです。
ですからFDに対しても、最初は懐疑的でした。でも、知り合いの絶賛コメント&街中で見かけるFD配達トラックの多さに後押しされ、「そんじゃ、俺も」とFDのサイトをチェックすることに。ちょうど1年ぐらい前のことだったと思うのですが、居住地のジップコードと番地を入力すると、「あなたの住むエリアにはまだ配達ができません」というようなことが書かれていました(涙)。
サイトの初期画面には、「FRUIT」「VEGETABLES」「MEAT」「SEAFOOD」「DELI」「CHEESE」「COFFEE」「BAKERY」「WINE」など20項目があります。2~3回クリックすると、自分の欲しい品物にありつけるような感じでしょうか。すべての品に写真が付いているし、買い物のしやすさを十分考えたサイトのようです。
宅配を受けるには、1回40ドル以上の注文が必要で、送料としてその都度4・95ドルかかります。最初の3回の注文には、合計で50ドル分が無料になると明記されています(ただし、この特典が受けられるのは新しく配達が始まった地域のみ。また、1回目は100ドル以上、2回目は75ドル以上の買い物をしなければならない)。
どんなサービスなのか予備知識はたっぷり! 後は実際に試すばかり、という万全の態勢を整えていた私の住むエリアにFDがやって来たのは、今年の春。ちょっと出遅れましたが、6月のとある週末、初めての注文を行いました。その模様は、次回詳しくお伝えします。(ヤマモー)
グローサリーの宅配サービスFreshDirectは、本当にフレッシュ? 後編
04年07月
NYで大人気のグローサリーの宅配サービス「FreshDirect」。前回はその便利な仕組みを紹介しましたが、今回はいよいよ初めて利用してみてのリポートです。
待ちに待ったFreshDirect(以下FD)が、私の住むエリアにも配達を開始したとのニュースを受け、さっそくFDのサイトにアクセス、“ お買い物”をしました。
牛乳(ハーフ・ガロン、$1.99)、ヨーグルト(6オンス、59¢)、レンジでチンするだけの3種チーズのラザニア(16オンス、$5.99)、ホウレンソウ(1束、$1.49)、リブ・チョップの豚肉(1パウンド、$3.99)……と、全然高くない! 私の住むエリアでは、初回利用時に$100以上購入すると$25ドルが無料になるとあるので、合計$102.90となるよう調整しました。FDのウリである新鮮さを確かめるため、奮発して上等なステーキ用牛肉(1パウンド、$12.99)を買ったほか、野菜、果物も何アイテムかチョイス。
日曜の夜のお買い物だったので、翌日の配達時間は仕事が終わった夜にしなければなりません。夜8時~10時の時間帯を選択、備考欄には「一番上の呼び鈴を押して」と書き込みをしました。
私の知り合いにはFDファンが多いと前回書きましたが、同僚編集者のHも愛用者の1人であることが最近発覚。彼によると、配達員は同じアパートの別の部屋に配達に来ると、指定外の時間であっても、“駄目もと” で、在宅かどうかを確認してくれるというのです。ですから、たまたま早く帰宅したなんて時に受け取りも可能なわけです。
「何て優しい!」と感激しましたが、考えたら、配達員にとってもこの方が効率的なのでしょうね。さて、我がアパートの呼び鈴が鳴ったは夜9時過ぎ。ドアを開けると段ボール3箱を抱えた配達員が。「そんなに買い物したか??」と思いましたが、とにかく部屋まで運んでもらうことに。エレベーターがないので、狭い階段を3階まで上がってくれました。
さっそく開けてみると、中身はかなりスカスカ。詰め込めば1箱で済みそうですが、食品の種類によって箱を分けるなどという規定があるのでしょう。箱に仕切りがあり、肉と野菜はしっかりとビニールに入れられ、過剰包装気味。まあ、中身がこぼれたりする心配がないのは確かですが。

写真の大型段ボール2箱のほかにも小型の段ボールが1箱あり、もう少しエコ・コンシャスになってほしいところ
その夜さっそくポークチョップとホウレンソウを使って遅い晩飯を作ってみました。噛ごたえアリ!の豚肉は、肉の味がしっかりとしてまずまず、ホウレンソウは新鮮で超美味でした。後日食べたラザニアはチンしたものとしては及第点、モツァレラチーズとブロッコリーラブ入りという変ったソーセージ(1パウンド、$3.89)は、かな~りのうまさでした。

さっそく作ったポークチョップ・ソテーのホウレンソウ添え
近郊農家と直に契約を結ぶなどして、質が高いお値打ち品を提供できるよう努力もしているというFD。私も愛用者の仲間入りを果たすこと間違いなしです。(ヤマモー)
リングからキッチンに移ってもチャンプ!
ジョージ・フォアマン(・グリル)の威力
04年08月
ボクシングの元世界ヘビー級チャンピオンのジョージ・フォアマン。45歳の時に26歳の選手から勝利を上げるなど、強靭な肉体と精神でその名を世界に知らしめた彼ですが、今では自身の名を冠した電子グリル器で、アメリカのキッチンを席巻中です。
ジョージ・フォアマンがキッチン用品のデザイン、マーケティング、流通を手がけるサルトンのパートナーとなり、電子グリル器「ジョージ・フォアマン・リーン・ミーン・グリリング・マシーン」の誕生を手助けしたのは1995年のこと。どのように手助けしたのか、その詳細は分かりませんが、サルトンの開発品にフォアマンが太鼓判を押したということで、彼の名が商品名に付けられたそうです(別名に「チャンプ・グリル」がありますが、俗称は「ジョージ・フォアマン・グリル」)。
実際のところ、ただ単に名前を貸しただけの契約だったのかも。でも、プレス式だから両面が一度に焼ける、この便利な小型のグリル器を、コマーシャルだけでなく、トークショー出演時にも積極的に宣伝し続けたフォアマン。その甲斐あってか、彼の健康的で力強いイメージが商品とがっちり結びつき、ロングセラーとなっています。
オンラインのニュースサイト「AlterNet」によると、これまでに5000万台以上のフォアマン・グリルが売れたそうで、これは、アメリカ世帯の2軒に1軒が所有している試算になるのだとか!
実は、私の家にもフォアマン・グリルがあります。これがあると、鶏の胸肉、ハンバーグ、サーモンのフィレなどが手早く簡単に調理できるので、とても重宝しています(こう書くと、しょっちゅう自炊しているみたいに聞こえますが、実は月数回だけ)。電化製品なのに、炭火を使ったかのようにグリルの跡がしっかり付くし(でもこげにくい)、数分で厚めの肉もミディアムレアになります。

これが我が家のフォマン・グリル。一度にグリルできる分量は1~2人分。受け皿に油がたまるのを見ると、なぜかうれしい。汚れ取り用のヘラは使いにくいため、普段は引き出しの中に眠ってます
さらに、グリルする時に油を敷かなくても済むばかりか、余分な油が付属のプラスチック製の受け皿にポトポト落ちてくるので、健康的な気分に浸れます。使い始めたばかりのころは、「油が落ちる=うま味が逃げるってこと?」と心配したものですが、中のうま味はしっかり残っているから不思議です。
欠点といえば、鉄板部分だけ取り外して丸洗いできないこと。グリル器がまだ温かいうちに、スポンジを使って汚れをこそげ取らなければなりません。完全に冷めてしまうと、汚れがこびりついてしまって大変なのです。この点だけは、今後改良してもらいたいと思います。
今ではスケルトンカラーでオシャレ感たっぷりの機種も登場しているほか、アウトドア用の大型グリルまで発売されていて、フォアマン・グリル商品は50種近くにも上っています。サルトンのサイトで、小型グリル器の価格をチェックしてみたところ、一番安いもので14.99ドルでした。これなら、だまされたと思って買ってみてもいい価格ですよね? フォアマンのサイトにはグリル料理のレシピがたくさん掲載されているので、これを参考にするといいかもしれません。
何だか最後はフォアマンの回し者のように宣伝っぽくなってしまいましたが、まずは一度、このグリル器を持っている知り合いの家に(肉・魚持参で)押し掛け、味わってみてください。(ヤマモー)
チャイナタウンのカエル(田鶏)を調理
05年01月
同僚の細田が「チャイナタウンの魚屋で生きたカエルが売られていた!」と報告したのが1月中旬。こうなったら“食いしん坊凡才”こと私の出番です。実際に生ガエルを購入し、調理&試食しました。
細田によると、「売られているのはウシガエルで、15~20センチくらいの青やら黒やらのがひしめいている」とのことです。
そして、「田鶏と書かれていて、1ポンド(約450グラム)が2.79ドル」と言うのです。チャイナタウンの主な魚屋を回って調べた彼は、13軒のうち4軒でカエルを目撃したのでした。
最近は、休みの日となると足繁くチャイナタウンに通う細田。田舎育ちで魚釣りも趣味ですから、案内役だけでなく、調理の際の手助けも頼むことにしました。
●見つからないレシピ
チャイナタウンに行く前に、カエル料理について調べてみました。すると、中国だけでなく、ベトナム、マレーシア、バリ、そしてフランスでもカエルを食すことが分かりました。また、細田が報告している通り、中国語ではカエルを「田鶏」と書きますが、これは味が鶏肉に似ているからのようです。田んぼの鶏ってことですからね。さすが、食通の中国人!
カエルを使ったレシピもゲットしようと、たくさんの料理サイトをチェックしましたが、まったく見当たりません。キーワード検索をしても、出てくるのは海外旅行の際にトライしたカエル料理の話と写真ばかり。
ということで、会社近くの中華レストランでカエル料理を実際にオーダー。今回はその味を真似て調理してみることにしました。
●自分でつかむのが一般的
カエルを売っている魚屋は、Mott Streetに3軒集中しています。立て続けに店をのぞいてみると、いるわいるわ! 店によって多少大きさが違ったり、1ポンド2.99ドルと若干値段が高い所もありましたが、茶・緑や黒がかったのがバケツに詰まっているのはどこも同じです。

茶・緑や黒がかったのがバケツに入っています
手を伸ばしてみると、寒い日でしたが結構な勢いでバタバタと動きます。
メールマガジンの読者の方からは、「腕まくりした若い女性がためらうこともなくバケツの中へ腕を突っ込み、背中から元気な『生ガエル』をグワッとつかみ上げ、裏返しにしては腹を見比べていました。腹を見てうまそうなのを選ぶのでしょうか?」といった情報をいただきました。
なので、周りの客にも注意を払っていると、やっぱりみなさん、自分で手を入れて選んでいます(ひっくり返して、腹を見ている人はいませんでしたが、カエルの入ったバケツの水で手を洗う女性を目撃しました!)。
お店の人に「カエルが欲しいんだけど」と話し掛けました。すると「どれぐらい?」と聞かれたので、「4、5人分ぐらい」と答えると、「じゃあ3ポンドでいいだろ」と言って、カエルを十数匹、次々とつかんでビニール袋に入れていきます。カエルが詰まった袋は奥の方に持っていかれ、捌(さば)く係の男性の手に渡りました。
まずは包丁でスパッと頭を切り落とし、切り口から皮をつかみ、下に一気に引っ張ります。すると、皮は全身スルッときれいにむけます。そして、残った内蔵などをえぐり出してから、水で洗い流して終了。慣れたもので、1匹の作業は数十秒ほどでした。
よく観察しようと、捌く男性の後ろで見ていたのですが、血だか水だかが飛んできて、服につきました。見学の際は要注意です。
調理法を聞いてみると「フライが一番」みたいなことを言っています。でも、忙しく働いているので、丁寧に作り方を教えてくれる雰囲気はありません。「あとは自分の料理の腕と勘に頼るしかない!」とチャイナタウンを後にし、家へと向かいました。
●すすぎは入念に 水気を切るのも忘れずに
皮をはいだ状態のカエルは、もうただの生肉としか見えず、グロテスクな印象はさほどありません。中をのぞくと、血の塊や内蔵が残っているものもあるので、流水できれいにすすいだ方がいいでしょう。

皮をはいだカエルです
ペーパー タオルで水気をしっかり取ったら、手足の先端は骨ばかりなので切り落とし、残りの肉を骨付きのまま、大きめの一口サイズに切っていきます。

手足の先を切り落としましょう
今回作ったのは「凡才風カエルと野菜のホットソース炒め」。塩、コショウで下味を付け、片栗粉をたっぷりまぶしてからヒタヒタの揚げ油でカリっと揚げ、ペーパータオルを敷いたバットに取り出します。そしてナスやシイタケ、ピーマンなどお好みの野菜と一緒にささっと炒め、ピリ辛ソース(市販のニンニク入りのチリソースを使いましたが、豆板醤で代用してもいいと思います)をかけて出来上がり。
