手結のとんどさん
堆肥を作ろう
04年11月26日
私のアパートは、フラットブッシュ・アヴェニューというブルックリンの大通りに面しています。並木道です。紅葉のシーズンが終わると、大量の枯れ葉が路面にたまることになります。
先日、アパートの前でゴミを回収していた清掃車に「Fall Leaf Collection」という表示があるのを発見し、私は「なるほど」と思いました。「落ち葉やハロウィーンで使ったカボチャは、通常の黒いゴミ袋ではなく、茶色の紙袋に入れて、指定の日に出してください」と、ニューヨーク市のウェブサイトには書かれています。大量に出る落ち葉を集めて処理し、堆肥(たいひ)を作るのだそうです。
堆肥という言葉を、私は懐かしく思い出しました。岩波国語辞典によれば「堆肥」とは、「わら・草・大小便など、廃物を積み重ね、腐らせて作った肥料」のことだそうです。
堆肥という言葉を懐かしく感じたのには、理由があります。子供の頃、「カブトムシの幼虫はタイヒの中によくいる」と聞き、「そうか。タイヒというのは凄いんだ」と記憶に植え付けられたのです。タイヒ。いい感じの言葉ですよね。自然の力を感じさせてくれて。
同様にミミズという言葉にも、良いイメージがあります。湿ったドロの中に生息し、赤くて細くてニュルニュルしているヒモ状のあの生き物のことです。ミミズは、ドロを食べ、養分を吸い取った後、ドロを排出します。子供の頃、「ミミズの尻から出てくるドロは、植物の生育に適したタイヒになっている」と聞き、「ミミズすげえ!」と思ったのです。
そのミミズを自宅で飼い、堆肥を作らせて、家庭菜園で役立てている人がニューヨーク市には数百人いるようです。11月3日のニューヨーク・タイムズで紹介されていました。残り物の果物や野菜を与えると(肉類や乳製品は厳禁)、ミミズたちはせっせと食べ、いつの間にか堆肥ができているとのこと。生ゴミが処理できて堆肥も作れるわけですから一石二鳥ですね。ミミズは魚釣りの良いエサにもなるので、釣り人にとっては一石三鳥。私も「飼おうかなあ」と思っています。(細田雅大)
今年もオノ・ヨーコ
04年12月29日
2001年の中枢同時テロ以降、故ジョン・レノンの未亡人である前衛芸術家のオノ・ヨーコは、新聞などの紙媒体や、タイムズ・スクエアのビルボード(巨大看板)を利用して、平和をうながすメッセージを発信してきました。
特に、毎年のクリスマス前後に、ニューヨーク・タイムズやヴィレッジ・ヴォイスに1ページのフル広告を出すのは、もはや恒例行事となってきたような気さえします。
今年もまた、オノ・ヨーコのメッセージが出現しました。私が見たのは12月20日付けのニューヨーク・タイムズです。まず、真ん中に大きく書かれた「WAR IS OVER!」という表現が目を引きます。その下には小さく「IF YOU WANT IT」とあります。ジョン・レノンの名曲「Happy Xmas (War Is Over)」からの引用です。
その下にさらに「Happy Christmas from John & Yoko」とあり、最後にいちばん小さい字で「"Don't need a sword to cut through flowers" J.L.」と書かれています。最後の「J.L.」というのはジョン・レノンの頭文字でしょう。「花を切るのに刀はいらない」と訳せるのでしょうか。これもまたレノンの曲「Whatever Gets You Thru The Night」からの引用です。
昨年も書いた通り、私はオノ・ヨーコのこうした活動を、高く評価しています。しかし、毎年毎年同じように繰り返していくうちに、2001年当時の斬新さは失われ始めているようにも思います。人々の意表を突いて発信するからこそ、彼女のメッセージには、それなりのショックや効果があったと思うのです。オノ・ヨーコのファンとしては、ぜひ来年こそ、私たちが再びアッと驚くような手法・場所で、メッセージを発信してほしいと思います。(細田雅大)
